「驚いた?」

って、笑っていう逞。


「誕生日、忘れてたんじゃねぇのかよ……」

俺が半泣き状態で言うと

そんな事言ったっけ?

って、逞。


言ったっけって……言っただろ!


「びっくりさせたかったんだよ。オソロイの指輪って、憧れちゃうでしょ?」

そぅ言う逞の指には、俺と同じデザインのリング。


なんかさ、それって

「恋人みたいじゃーん。」

そぅ言って泣く俺を

逞は優しく抱き締めて


「みたいじゃなくて、恋人でしょ。」


何、変な事言ってんのー?

と、笑った。


いつも、そうだ。

俺に甘えてきた、と思ったら、いつの間にか俺を甘やかしていて……


甘えられてた俺は、いつの間にか甘えてた。


優しく抱き締める逞に、しっかりと抱きついて


静かに流れる恋人達の時間。

神様、もしあなたが願いを叶えてくれるのであれば

どうか、時間よ過ぎないで……


どーも俺は、逞の恋人になってから

思考が乙女になってんなぁ


そんな風に思いながらも

俺は暫く逞に抱きついたままだった。


だって、今日は俺の誕生日だもん。

たくさん、甘えさせてくれるんだろ?



俺が生まれて、18回目の誕生日。

きっと、忘れる事はない。

だって、今までで一番幸せな誕生日だったもん。


これからも、幸せが続くと良いなぁ。

いや、絶対続くだろ。

俺達はラブラブだもんなー……なんて。



その時俺は、いや俺だけじゃなく逞も、これから起こるハプニングの数々を、微塵も想像していなかった……