数分後。



「蒼依~、希~。
 バスケ、やっていいって」



「馬路?!
 佐々木、あんたよくやったよ~」


「あー、希ルール分かる??」


「まぁ~、大まかに??」


「今日はあれだけど、
 慣れてきたら女は手ぇ出す奴いるからな、
 覚悟しとけよ」


「どういう意味…??」



「ここは、あくまで遊びのストリートバスケだ。
 まぁ、大会はあるけど。
 …だから、皆適当なルールでやってる。
 男どもはプレー中は何だってありな奴らだっている。

 …希、これだけはしっかり覚えとけ。
 お前、女だから、顔だけは気ぃつけとけよ」




「おっけぇ~…」




 希チャンの顔、一瞬怖く見えた。

 …希チャンって昔喧嘩してたんじゃなかったっけ…。



「…蒼依もバスケする??」


「え??
希チャンだけじゃないの??」




「あたしだけじゃつまんな~い。
 蒼依、あんたもやんのよッ」



「えっ、えっ、えぇぇぇぇ~…」



 はい、あたし希チャンには歯がたちません。




 …と言うか、怖いの駄目なあたしは従うしかない、よね。