妙な焦り方をする悠クン。
「ううん、別に何かされたって訳じゃなくて…」
「じゃあ何で来たんだ??」
…何だか、お父様に敏感な悠クン。
「…言いにくいこと聞いてもいい??」
「なんだよ…」
あたしは、決心をした。
悠クンの家族や、家のことを聞くんだ。
深く、深呼吸をする。
聞いちゃまずいことだって分かる。
悠クンにとって何かになってるってことも分かってる。
…でも、あたしだって悠クンの力になりたい。
「…悠クンの、こと教えてほしいんだけど…。
つまり、家のこととか…
家族のこととか…」
「…」
一瞬、黙った悠クン。
やっぱり、あたしじゃ駄目なのかな…
「そぅ、だな…
蒼依には秘密ばっかりだもんな…」
そぅ言って悠クンは公園のブランコに座った。
「蒼依も、座ろうぜ」
「う、ん」
こうして、悠クンの家の話が始まった。

