渋々引き下がった舞と、助かった…という安堵の表情を浮かべる坂野を横目に、しょうがないからあたしが司会を進行。



まったく流れなんか知らなかったから、とりあえず坂野を紹介して、そのチームの幹部数人を紹介して、友好的にしてもらうようにお願いした。

後は、打ち解けるのを待つだけ。



…まぁ、顔はいいからすぐに人は寄ってくるだろう。

それから打ち解けるかそうじゃないかは、坂野達次第。



てか、あたしはそれよりも、さっきから感じるこの視線をなんとかしなきゃなんだよ…。



『――…で、知らない人も居たみたいだから言って置くと、この女の子が"緋舞"、4歳。で男の子が"龍"、同じく4歳。これから、もしかしたらまた会うかもだから、会った時は声掛けてくれると嬉しいな』



本当に、言ったことないかが疑問。

…だってさ、軽くチーム内で話回ったはずでしょう?



とは思うけれど、ひとまず挨拶。

ペコッ…と頭を下げたふたり。



そんな姿に、さっきまでの驚きの表情は優しいものへと変わっていった。



そして次の瞬間…――



「「「「「可愛いーーーっっっ!!!!」」」」」



――…ホール全体に、歓声と言う名の叫び声が上がった。