「私、木下 羽美って言うの。宜しく」 「あの…私は…中村稀良って言います。宜しくお願いします。」 たどたどしい態度で挨拶する稀良が笑えてしまう。 「例えばさぁ、このコミック…鞄に入れて走ったら面白いかなぁ?」 「万引きするって…こと?」 真乃の言葉に、何とも言えない衝動が沸く。 「面白いかも。」 それに乗った。