それにしても、こんなにも深い愛情は見たことがない。 天空学園にも子離れしてない親はたくさんいるが、それでも、だ。 「拓也、俺と亜樹の宝物を、頼みます」 ずっと穏やかな顔をしていた兄さんが、急に真面目な顔をしてそう言った。 ……ちっ。 かっこいいじゃねーか、兄さんよ。 ガキの頃は嫉妬したりもしていたが、今ではそんな気も起こらねーよ。 でも悪いな、兄さん。 俺はそこまで素直じゃねーんだ。 「勘違いすんなよ? 俺が守るのは、俺の大切な姪だからだ」 「ふっ。そうか」