龍の女神となるべき姫【上】



「でも、今回はミスったわ」




“ミスった”なんて言いながら、悠基はカラリと笑った。



こんな状況にも関わらず、近くで見る無邪気な笑顔に、胸がトクンと波立つ。




「それも、自分が選んだ姫に狂わされた。
こいつに完敗だな」




そう言って、悠基は私を床に下ろした。




「今まで俺の言う通り、亜美に隠してくれてありがとな。
……つっても、もうばれちまったけど」




そう言うと、“お遊びはここまで”とでも言うように、顔を引き締めた。