「ったく。 お前どこであんな技覚えてきたんだよ」 復活?した、優兄が聞いてきたけど。 『内緒だよ』 そう言って、私は空を見上げた。 雲ひとつない、澄み切った空を。 “この空、お前の瞳と同じ色だな” ふと、あなたの言葉を思い出す。 視界がぼやけるのがわかったけど、涙はこぼさないね。 翔は、泣き顔よりも笑顔の方がいいって言ってくれたから――― 『教室行こ?』 私は、しっかりと前を見据えて校舎へと足を進めた。