「洗面所はあっちだ。 幹部しか使わねぇから誰も来ねぇと思う。 準備できたら、昨日の部屋に来いよ」 『わかった』 それから私は、準備を終えて昨日の部屋まで行った。 ドアを開けると。 誰かさんの、無駄に整った顔に、 「おはようございます」 智の爽やかな笑顔に、 「おはよぉ……」 留衣の寝ぼけた顔に、 「……」 完全に寝ている秋都の寝顔。 「よく眠れましたか?」 どっちかって言うと、私より智の方が寝不足なんじゃない? 『うん。……久しぶりにね』 「え?」 『あっ、何でもない』