龍の女神となるべき姫【上】



《……》



「……」



《……嘘だろ?》




あぁ。嘘だよ。



だけど言えるわけねぇだろ。



亜美を溺愛してるコイツに。




“大丈夫だ”“俺はここにいる”

って、手を握りしめながら何度も囁いてた、だなんて。



だいたい、恥ずいし。




《ちっ。……めた…ねぇ……》



「何か言いました?」



《何も言ってねぇよ!!》




何キレてんだよ。



思いっきり舌打ち聞こえてるっての。




《なぁ》



「何すか?」



《……亜美を、一晩泊めてやってくれ》