博士は、そのボールをいまだ空中を漂っている中年のおっさん……ぽいものに投げつけた。 投げたボールが『ぽいもの』に当たる瞬間、辺りを閃光が包み込む。 やがて光が収まると、『ぽいもの』は消えてなくなり、代わりに煙をたてたボールだけが床に転がっていた。 「うわっ! あっ! 消えた。一体何をしたんですか博士?」 「あぁ、あのボールは周囲の物質を原子レベルで圧縮して、中に閉じ込めてくれるんだ」 中村には、何だかよく分からないがとにかくあのボールに何かを閉じ込めたらしい。