そう思ったけど、やっぱり見てると面白い。



俺はどちらかの味方をするでもなく、間に入って仲裁するでもなく、ただただ見守っていた。



「やだよぉ……こんなとこ、見えちゃうぅ……」



「あぁ…悪い、ごめんって。…でもさ、絆創膏貼ってれば大丈夫だよ。」



すると、案外早くに杉田が折れ、希に謝り出した。



希はというと、さっきまで怒っていたのが嘘のように、半泣き状態で杉田に抱きついていった。



「中津…見るな。」



そんな希を抱きしめた後、杉田は俺に気付き、低い声でそう言った。



「わ〜ったよ!じゃ、俺帰ろっかな…邪魔っぽいし。」



「…そうだな。お前、すごく邪魔だ。早く帰れ。」



そんな直球で言わなくても…



わかってたことだけど、いざ杉田に言われると悲しくなるな─