――アップルパイを一切れだけもらった俺は、家路へと急いでいた。 久しぶりにマスターと話していたら時間を忘れてたんだ。 「今日は親父も遅いし簡単なヤツでいいよな」 独り言をもらしながらも俺は足を止めずにいる。 「ん?」 ふと、路地裏の方へ目をやるといくつかの影が動いていた。