前にもこんな感覚味わったような気がした。


 だけど思い出せない、思い出してはいけないような気がする。



 俺は確かに目を開いているはずなのに、見える景色は全て闇だった。


 まるで自分がその闇の住人にでもなったようなこの気分……悪くない。




 なんて強がってても、所詮俺は小心者なのか?


 急に怖くなってきてしまった。



「ッ――」




 ――俺は誰かに担がれたところで意識を失った。