夕暮れ。

自宅に帰ったわたしに、温人は
 
 
 「会えたのか?」
って頭をポンと叩きながら聞いた。


本当なら会えても会えなくても
笑顔で温人の胸に飛び込む予定
だった。


でも・・・。



別れ際に亮君が、「今日の事は温人
には言うな。」とわたしを抱き寄せた。


 「これで最初で最後だから。」
と抱きしめられた感覚がまだ体に
残ってる。


温人をだましてるみたいで
心が痛かった。