亮君が長い廊下の一番向こう の病室の前で止まった。 わたしは慌てて追いつく。 その部屋だけ明るい。 静かな病院。 その部屋からだけ 泣きすする声が聞こえてくる。 わたしは、ドアの前でゴクッて 喉を鳴らした。 そして、亮君のシャツの裾を 握りしめて、病室の名札に 目をやった。 薄暗い廊下の灯りではきっと 見にくかっただろう。 でも、皮肉にも病室から漏れる 灯りが明確にそれを映し出した。 そこに書かれている名前に わたしは息を飲んだ。