そんな夜だったね。 亮君の電話が鳴ったのは。 キッチンで洗い物をしてる わたしの手をむりやり引っ張っ た。 わたしは泡だらけの手を慌て て洗い流して水を止めた。 「どうしたの?」 「車に乗るんだ!!」 いつも優しく穏やかな亮君が ものすごく怖いオーラを放っ ていてわたしは、体が震えた んだ。 無言のままスピードだけが 上がっていく車。 不安と恐怖でギュッとシート ベルトを握りしめた。