後一分、か。


やっぱり5分はきつかったかな?


なんて考えながら周りの何か言っている男達をスルーしていた。


すると後ろから聞こえてきた走って来るような音。


振り向いたら藍。


あたしの目の前に到着したのは…5分ピッタリ。




「さすが藍。 5分ピッタリ。 てかなんで上履き?」


藍の足元に視線を落とせば上履きではないか。


「3階にいたのに…飛び降りなきゃ間に合わなかったって…」


と乱れた息を整えながら言う藍。


それに驚いている周りの男達。


だがそれも数秒のことで興味をなくしたのか帰っていく輩。




帰っているとき思い出したかのように聞いてきた藍。


「そういえば何で急に泊まらせてとか言ってきたんだよ?」


「それ、家の中で話すわ」


だって周りに聞かれたくないし。


あたしの考えが分かったのかそれからは黙った藍。


ていうか…


「琳でしょ」


髪も見た目も一緒だが声が微妙に違う。


この兄弟、見た目が似てるからよく入れ代わってるんだよね。


周りの目をごまかせてもあたしの目はごまかせないって。





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