式後に集まった小学校は、私が卒業してからなに一つ変わっていなかった。

校舎も、校庭も、体育館も、何もかもあの頃と同じ。懐かしい気持ちと寂しい思い出が心を満たす。


「あっ、ここの手すりさ、よく滑ってたよねー」

「今じゃ怖くて出来ないけどね」

「あったりまえじゃん。あたし達の身体、どんだけ大きくなったと思ってんの」

「座るのも怖いよ」


6年の時の教室に行くまで、長くないその距離を何度も立ち止まりながら歩いた。

壁に書いたマジックの落書きが残ってたり、同級生が壊した壁がまだそのままだったり。

私達にとって、この校舎で過ごした6年間は凄く大きな、大事な思い出だった。