そう、言うと、七瀬は心配してくれた。

「奏、何かあれば言うんだよ。話も聞くから! 」

ありがとう…その言葉しか出なかった。



奏は実家にいる妹とよく電話をする。


「もしもし、茜?そっちどう?」


「あ、奏ちゃん、最近ママは帰らないよ。なんか、あまり変わらないけど、大丈夫だよ。」


「わかったよ!また連絡するね。」


この時、妹の茜からママが帰らなくなった事を知った。

そして、ママから電話が来るとパパの悪口ばかり聞かされていた。

なんだか悲しくて、でも頷いて聞いているしかなかった。

ママは彼氏のところで暮らしているって言った。
おかしいなって思った。
だってパパがいるんだよ?パパはどうなるの?


奏は、一人家で泣いた…
泣いて泣いて目が腫れるまで。


そんな毎日がどれくらい続いたかわからない。


奏が頑張っても何も変わらないのかな…


そんな思いでいっぱいだった。


パパの再就職も決まらないまま、6月が終わっていった。