「わかった。あ!!!できたよ」

2週間に1回のペースで、卓に会って、勉強を見てもらう。
春休みのスタイル。



お互いに忙しくすごしていたのは事実。
でも、もっと卓と一緒にいたかった。
だって、春休みだし。


それに、面接のことでいっぱいで、奏にかまっている余裕のなくなる卓に気づいていた。

いつしか、ケンカが多くなっていた。

「もっと、連絡してよ。」

「俺だって、忙しいんだよ。」

「だって春休みじゃない。時間あるじゃない」

「俺は、面接のことで不安だらけなんだよ。就職は人生に関わることだから、真剣に取り組みたいんだよ」


「わかった。奏もがんばる」

「俺たち、少し距離を置こう・・・」

それが、卓の出した答え。

従うしかなかった。




その夜、溢れる涙を拭うことなく眠りについた。

「距離を置こう・・・」

卓のその言葉を忘れるかのように、奏は説明会を詰め込んだ。