「お待たせ」 案外すぐに和弥は戻ってきた。 「…何買ったの?」 「ん。」 そう言って手渡されたのはホットコーヒー。 「ちょっと寒いからさ。…てか凜ってコーヒー飲める?」 「ガキ扱い……」 コーヒーくらい飲めるし。 でも 「さんきゅ…」 言われてみれば今は11月。 あと数日で12月だ―― 冷たい気温の中、手に握られたコーヒーの缶を見て、私は小さく微笑んだ―― そんな私の姿に、和弥が頬を赤くしていたことは気づかなかったけど。