思わず振り返った。 「あ……」 …いた。 学食の中にある購買。 テーブルでご飯を食べている聖剛さん。 その横で電話をしている和弥と目が合う。 「和弥が学食って珍し…」 『悪いかよ』 「や、別に…」 なんか、久しぶり。 和弥の顔見るのも、声を聞くのも。 『夏帆ちゃんと食うの?』 「そう、だけど…」 『へぇー…』 「何だよ」 『別に?じゃあな』 プツリと切れた携帯を耳から離すと、いつもの待受画面だった。 ………。 再び和弥の方を見たけど、何事もなかったかのように食事をしていた。