教室で話すのも気が引けて、中庭に来た私達―― 中庭にはいくつかの大きな木があって、意外にも人目につかない絶好の隠れ場だ。 私は昨日の出来事を夏帆に話した。 「へーぇ、それで正体ばれちゃったってわけか」 「正体って……つかどうすっかなぁ…。あいつ、バラしたりしねぇかな?」 それだけは困る…… 今まで学校で地味〜に生きてきた努力が水の泡に……!! 「……そう簡単にバラしたりしないっしょ」 しばらく考えた後、夏帆が口を開いた。 「…?なんで?」