季節は秋。 体育祭に学園祭が終わった11月――― 気温が少しずつ下がるように、学校の熱気も冷めかけていた。 「…ふぁぁ〜」 背中を思い切り反らせ、大きく欠伸をつく。 私の名前は村上凜(ムラカミリン) 普通の高校一年生。 帰宅部。 「あんたねぇ…欠伸するときは口元覆いなさいよ」 「ん〜。はいはーい」 私にいつも口うるさく言ってくるのは 秋山夏帆(アキヤマカホ) 保育園の頃からの付き合い。 お互いに知らない事はないくらい理解し合ってる。 …と、私は思ってる。