花の入った花瓶
ベッドが二つ
広くはないが小綺麗な病室
そこにギルの姿はなかった。


「う…」

女は目をゆっくりと開けて辺りを見回した。

「ここは?」

「知り合いの病院だよ」

ギルが病室に入りながら問いに答えた。

「あなたは…」

「そのままでいいから聞いてくれ。」

起き上がろうとする
女に言う。

「あの時は苛々してたからろくに助けてやれなかったな
悪かった。」

「…いえ」


お互いしばらく黙った。


「どうしてあいつらに協力したんだ?」

あいつらとは
ライセンスを奪って行った連中の事である。