恋風船



「はい、これ」


声がする方を見ると島田がいた。


「…島田」


「受け取ってよ、志穂の代わりに走ってくれたお礼」


と、笑った。


差し出されたのは清涼飲料とタオル。


上半身だけ起き上がりそれを受け取る。


「さんきゅー」


「お礼は志穂が言うことだよ。坂本くんはお礼なんか言わなくていいの」


と言う。