「ぜんぜんいいよ。ってか、みんな来てないし・・」
みんな来てない?
どう言う事?
「え?何で一人なの?」
「俺もさっきから連絡してるのにさ、通じなくて。千春も来ないのかと思った」
何で?
みんなどうしたんだろう・・。
ここで待ち合わせって言ったの慎吾なのに・・・。

「遠いけど慎吾の家行ってみる?あの3人の中だったら一番家近いし」
「だな、なんか心配だしよ」

そして私たちは歩き出した。
ふたりで・・・。

私は彼がすごく友達思いなんだなぁ
と、感じた。

何があったのか知らないけど
慎吾たちが遅れているおかげで
2人きりになれる・・・。

心配よりドキドキのほうが勝っていたことは確か。

今隼吾はどんな風に私を見ているの?
友達?クラスメイト?

そんなことを思っていたら彼が口を開いた。

「千春って好きな人いるの?」

いきなり言われたせいか顔がだんだん熱くなっていった。
「い、いるよ」

「ふ~ん・・。誰?」
待ってよ!
誰?って聞かれて隼吾って答える人いないよね?
そんなこと言ったらこの恋は一瞬で破滅だよ・・・。

「教えない。まぁ、そのうち分かると思うけど。それより隼吾はいるの?」
「いるよ。でもどうせ片思いだよ」

へぇ・・・。
隼吾にも好きな人いるんだ・・・。
でも、それが私ではないことは確かだと思う。