真樹子はイライラと時計を覗きこんだ。
午後5時15分。
夕方のラッシュにはまだ早い。
なのにどうしたわけか、車は一向に進まない。


──事故?


だとしたら迷惑な話だ。
年が押し迫ってただでさえ忙しい職場に、インフルエンザが流行って二人休んだ。
まさに修羅場だ。
ここ一週間、9時より早く帰宅していない。