「心を失ってしまった私にはそういうのわからない」

「………そうかもな」

「…………………」




でもなんでかな……心は刃物を捨てて俺の傷口を見てる。



何を考えてるのかわからないが。




「痛い…ね、こんなに深いんだ……」

「明日病院行く、今日暗いしもう行くわ」




俺が出たあと、心の家は真っ暗に戻っていた。




よほど居心地が悪かったのかもう暗さになれたのか…。




心のとの距離は……縮まったのか?



ふと上を見上げると
この夜の月は三日月に輝いてた。