疑問に思うのがなぜ……刃物が今、心の手元にあるか。




さっき俺が回収したはずなのに。




いつも服のどこかに隠しているのか。




「………刃物は、いつも持ってる」

「捨てろよ……」

「人生に終止符をうつときに使うかもしれないから」




冷たい瞳………心の苦痛の叫びが伝わる。




俺は傷口が開くごとに、心の方が何倍も痛いんだと感じた。




「……痛いの?」

「痛いな、そういう想像もつかない……のか?」

「……つかないよだってそれは、やがて治るから」

「…………」

「痛そうに感じない」