「大丈夫、俺がいるから」




静かに心の額にキスをした。



寝ている心には悪いけど、俺だって…我慢できない。




心の右手を両手でギュッと掴んだ。




呼吸が一定になって魘されないで寝ている。




やっぱり心は……こういうのが欲しがっていると思う。




側にあるアタタカサ。




「………」




心はどうしたら戻るんだよ。



教えてくれよ誰か。




人のアタタカサをこうやって触れたら安心な顔で寝てる。



起きたらまた人形のように、冷たいものを見るように、見るんだ。




俺がコイツを元に戻すには、時間がかかりそう。




心の家族が今ここにいないのも俺の所為だし。




心を失っているカノジョにしたのもこの俺だ。