「何か心、考え事?」

「ううん…してないよ」




明日香には迷惑かけられない。




明日香の両親に礼を言ったあとにすることを明日香には言えない。




あの村全体を………焼いてやる。




そんなこと明日香には言えない。




もちろん新にも…。




どうせ止めに入るに違いない。




「お母さんもきっと喜ぶよ」

「え?」

「久し振りの心をみるんだから!」




ううん……嘘つかなくていいよ明日香。




私……すべて聞いてるんだよ?




明日香は私が知らないと思っているのかそんなウソを笑顔でたんたんと言う。




相手を思うウソだと思うけど。




私は……笑顔を返せなかった。