私の顔を見ないまま、出て行った…。




本当の家族なんてものは私は教わっていない…。




あの親たちは子供を育てる気はあったのだろうかと今思う。




あの無言のまま出て行った親の顔が忘れられない。




無表情のまま……。




そう……あの言葉を待っていたの?




「……別居しませんか?家族崩壊しませんか?」




この言葉を待っていた…。




出て行きたかったけど……何かの理由がなくて……出て行かなかっただけ。




昔のことを思い出しながら、暗い部屋に電気をつけた。