心を失ったカノジョ





病室に行く前に一輪の花をもって見舞いに行くことにした。




理人が……無理矢理私を行かせたに変わりはない。




私からなんて行きたくもなかった。




明日香の頼みだからこうして…
コイツの前にいる。




コイツは寝てて…なぜか私の名前を口にしてた。




「……心」




何?私がどうしたの?




この哀れな姿になったのを同情してるの?




「……起きてよ」




そんなに安らかに寝ないでよ。




私なんてそんな寝かたできないんだから。




花なんか一枚一枚ちぎって、その1枚をまたぐちゃぐちゃにして
寝ているベットにばらまいた。