「俺に、出来るか?伽羅ちゃんを、信じさせること」
「あんた以外に誰が出来るのよ?」

青磁の問いに、即答する茜。


その答えに、
すべてが、つまっていた。


青磁なら出来ると、
青磁にしか出来ないと、


そう願う、
そう思う、

茜の気持ちが。


茜の想いを受け、青磁は自然と心が軽くなった。


自分でいいのだと、
自分しかいないのだと、

そう言ってくれる人がいるということが、

嬉しかった。



罪悪感だけの想いが、

少しずつ、

少しずつ、


あたたかいものへと、変わってゆく。



あたたかい想いを、取り戻す。




吹き荒れる風が、
優しい風へと変わるように、


青磁の想いが、
心が、


凪いだ。