「あ、ねえ、今何時?」
屋敷の主人の見送りを辞退し玄関に出たエナは肩に乗ったラファエルとじゃれながら、ふとジストに問う。
内ポケットから懐中時計を取り出したジストはほんの少し言い澱(ヨド)んだ。
「んー……十時……ちょっと過ぎ?」
「げっ!」
正午に港町に着くには今頃馬車に乗っていなければならない時間だ。
エナはゼルに役に立たなくなってしまった金が入った袋とエナ自身の荷物を押し付けた。
「走ろっ!」
「おいっ! これオマエの荷物……ああくそっ! 置いてくなっ!」
馬車乗り場を目指し、三人と一匹は一目散に駆け出した。
屋敷の主人の見送りを辞退し玄関に出たエナは肩に乗ったラファエルとじゃれながら、ふとジストに問う。
内ポケットから懐中時計を取り出したジストはほんの少し言い澱(ヨド)んだ。
「んー……十時……ちょっと過ぎ?」
「げっ!」
正午に港町に着くには今頃馬車に乗っていなければならない時間だ。
エナはゼルに役に立たなくなってしまった金が入った袋とエナ自身の荷物を押し付けた。
「走ろっ!」
「おいっ! これオマエの荷物……ああくそっ! 置いてくなっ!」
馬車乗り場を目指し、三人と一匹は一目散に駆け出した。

