茨と亜利哀の関係は…普通の親友などでは無かった。 普通の親友よりも深い付き合いのクセに、いつもどこか冷めている。 いつだって他人になることが出来た。 「…歩くか。」 今、ドレス姿では無いことが都合が良い。 彼氏は居る。 けれど、一流の会社に勤めとはいないし、裏社会のドンでもない。 有名大学の坊ちゃんでもなければ、親のお墨付きでもなかった。 ただの馬鹿。 そして暴走族の総長。 でも、亜利哀に動じたりしない。 それどころか、ただの小娘のように見られている気がしていた。