Quiet Christmas.


亜利哀はとてつもなく変なところで鈍感だ。


関係は無いが、出会った頃を思い出す。

「ウッサイんだけど!」

バイクを唸らせていた彼“等”に眉間に皺を寄せて怒鳴った女。

「あ゙?」

「意味なく排気ガス出すんじゃないわよ。あんた何?俺一人何したって大丈夫だって考える主義なわけ?」

バイクを停めた彼の仲間が少し青ざめた。

そこには仲間の顔とは真反対の紅い髪。

夜でもわかるくらいのその髪の色と美人な女の組み合わせは、ここら辺では1人だけ。

“篠原のお嬢様”