隣にドサッと腰を下ろした彼は呟く。 「黒川も友達として喜ぶだろうな。 勿論、俺も。 お前の親もな。」 黒川とは茨のこと。 「でも、辛くなって逃げたくなったら次はハワイにでも逃げようぜ?」 南国だ。 「もし、お前がまた篠原家に生まれたのが嫌だって逃げんなら、ここに来れば良い。」 優しいことば。 傍に居る彼のことば。 「もし、お前が見合いさせられて結婚したとしても…俺はずっとお前が好きだ。」 馬鹿みたいだ。 恥ずかしげもなくそういう言葉を吐けるなんて。