着いた先は、小さな教会だった。 住宅街の中にあって、人が全然いない。 中に入ると大きなツリーが飾られていた。 「大きい。」 そのままの感想をもらす亜利哀に、彼は笑う。 さっきまで、得体の知れない恐怖に身を竦めていたのも吹き飛んだ様子。 「知ってる場所?」 「妹が…ここで結婚式を挙げたいんだと。名前は『世界の隅』。」 世界の隅。 とても良い言葉。 参列者の席に座って、ツリーを眺めた。 キラキラしていて、綺麗だ。 「…お前がもし社長になったら。」