ベテルギウス、プロキオン、シリウスで冬の大三角形を結ぼうとした手が掴まれた。 気配が無かった。 いや、無かったんじゃなくて。 「何やってんだ?こんなとこで。」 気を許した相手だったからかもしれない。 それから手首を引っ張られて、軽々体を立たせられた。 「天体観測。」 「一人で?寂しいなおい。」 「全然。気楽なくらいよ。」 彼の肩を竦める動作は誰かに似ていた。 「なんでここにいるの?」 自分の彼氏であろうと、亜利哀は容赦ない。