もう夜暗くなり、
月がでてきた頃だ。
私は空を見上げた。
先輩も空を見上げた。
「もうすぐ半月ね」
半月・・・
それは、黒と白がわかれていて、
真実と嘘がわかれているように見えた。
先輩は私を睨みながら笑った。
私はあの日の夜のことを思い出していた。
「クスっ」
そんな感じで私は笑われた。

私と友達になりたかったから?

私がまだこの笑いの意味を知らなかった。
「ごめん。私これから習い事があるから」
バイバイと手を振りながら、先輩は去って行った。
楽しかった一日を思い出し、家鍵をポケットかた出した。
今日から友達になった先輩。
この前の晩御飯のことも、急に仲良くなった疑問も私にはどうでもよかった。
そう思えたんだ。
私は先輩の一番の友達になれると思ったから。

ーーー半月の夜。