「カルボナーラでいいですっ」
先輩はカルボナーラとシーフードピザを注文した。
「舞ちゃんイタリアン派?」
「っはい」
「じゃあ今度イタリアン行こっ」
「・・・はい」
先輩にどう反応していいかわからなかった。
「部活楽しい?」
私は首をひねってしまった。
「一年って辛いよね」
え?
「一年も一緒に試合できたらいいのに」
ーーー先輩は違う。
他の先輩はみんな「一年だからしょうがない」って言うけど、
先輩はわかってくれてる。
「舞ちゃんも試合したくない?」
「はい!」
大きな声で答えてしまった。
「プッ・・・」先輩はクスクス笑いだした。
ヤバいこと言ってしまったかも・・・
「舞ちゃんかわいいね」

先輩は笑顔で言った。
優しい笑顔で。
なのに、どうして?
今の先輩は、違う。

ーーー三日月の夜。