「あ、優里ーーー」

放課後、私は靴箱のところで優里と待ち合わせした。
「ごっめん、遅かった?」
優里は笑顔で走ってきた。
部活があるから、しょうがない。
私はもちろんサボったけど。
サボるっていうか、こんなケガで部活できないし。
「ううん。大丈夫、行こう」
結局あの後私の家に決まった。
「舞の家に行くの、久しぶり」
優里はまた笑顔で言った。

怖かった。
真実を告白するのを。
全てを告げるのも。
だって、そんなことしたら、
優里の今の笑顔を壊してしまう。
そんなことしたくない・・・

だけどっ・・・

「おじゃましまーす」

私はお菓子とジュースを持ってきた。

最初はいろんなことをはなした。
だけど、一番の目的は・・・

「優里、ごめんね」

私は下を向きながらそう言った。
「何がぁ?」
優里は笑いながら、クッキーを手にした。
「この前のこと・・・置いて言っちゃった時・・・本当にごめん」

しばらく無言だった。
でも私は下を向いてるから、
優里の表情がわからないーーー

「大丈夫っ。忘れて」
優里は優しい声でそう言った。

優里ーーー・・・

「あのねっ・・・私実はーーー」