見慣れた後ろ姿が目に移った。
茶髪の長い巻き髪。
ケータイをいじりながら、立っていた。
「加恋先輩っ」
おもわず口からこぼれた。
「あっ、舞ちゃん」
加恋先輩は学校の人気者。
可愛いし、スタイルいいし、美人だし、綺麗だし、モテモテだ。
同じ学年の先輩すら近づけないほどの人気者だ。
「舞ちゃん、どしたの? こんな遅く」
「ば・・・晩ご飯買いに来ましたっ」
緊張してうまく喋れなかった。
「あのさ。うちもちょうどお腹空いてたんだよね」
「・・・はぁ、」
「よかったら今から食事しない?」
「えっ・・・」
いきなりでビックリした。
でも行きたい。
楽しそうだ。
「行きたいんですが、お金そんなに持ってきてないので今日はちょっと・・・」
「大丈夫。おごるよ」
先輩は優しい笑顔でそう言った。
「でっでも・・・」
「大丈夫。行こっ」
せっかくの誘われたんだし、先輩のお誘いを断るわけにはいかなかった。
「はい・・・」
私たちは近くのファミレスに入った。
先輩はメニューを見ながら「何がいい?」と聞いた。
「あのっホントにいいんですか?」
「もっちろん。好きなもん選んで」
私はメニューを見た。
出来るだけ安いものにしよう。