ついに訪れて、
大杉の襲名披露。


今日は仮だけど、
来年にきちんと行うけど、
空気がピリピリしていた。


「苦しい・・・。」


奥の部屋で私は
椅子に座っていたけど、
帯の締めすぎで苦しく、
唸っていた。


「だらしない。」


「だって・・・。」


母が様子を見に来て、
私が唸っているのを見て、
呆れていた。


「今日は仮だから、
簡単な挨拶だけで済むけど、
正式発表の時は、
もっと大変だからね。」


「うん・・・。」


母の怒りに満ちた声で、
気持ちはもっと落ち込んだ。