「何なの?」


「箱か?
ケーキが入っている。


昨日大杉さんの家で
ケーキを貰ったんだ。」


「そう。」


「食べないのか?」


父の言葉に、
私は首を横に振った。


ケーキを食べたい
気持ちにはなっていない。


「いつもなら
朝からケーキを1ホール
食べるくせに。」


「うん。」


「大学の事か?」


「うん。」


父も私が大学に
進学した事は知っていた。