そして…あれから何もないまま決勝がやってきた。 部員たちと杏梨ちゃんは既にグラウンドで準備をし始めている。 達也は…1回戦と同じようにベンチに座り、何も言わず下を見ている。 私は…そんな達也をただただ見つめるだけ…。 「…」 「…」 …きっと 勝ってくれるよね 約束 守ってくれるよね――――・・・ 「…実波」 達也が立ち上がり、私に話しかけた。