ツインの絆


その内にアキは、自分の履いているロングブーツを脱ぎ始めた。


孝輔はベッドの下にスリッパが見えるから、アキが履きかえるつもりだろうと、漠然とした気持で眺めていた。


帰ろうとすれば引き戻される。

しばらく話がしたいなら… そんな気持だった。


ブーツを脱ぐと、アキは意味不明な顔をして孝輔に笑みを送った。

目が合った孝輔も、照れくささを隠すために何となく微笑んだような顔をしたが… 
アキの次の行為に孝輔は仰天した。


ブーツの次に、アキは体にピッタリくっついている、セーターのようなジャケットのファスナーを下げた。


驚いた孝輔は、慌てて立ち上がりドアの所へと急いだが… 今度もアキの動きが早かった。


アキはドアを背にして立ち、孝輔を迎えるような格好で抱しめて来た。


いや、孝輔の方が高いから、孝輔の胸に飛び込んだような形だ。


初めはショックで金縛りにあったような孝輔だった。


無意識に呼吸が荒くなり… 体験した事の無い感情で自分が壊れそうな気持だった。


そして気がつくと、



いつの間にか震えていた孝輔も、アキの背中に手を回していた。